Rustique 　新居 大輔さん

2015年4月にオープンしたパン屋「Rustique (リュスティック)」。
開店してまだ１年足らずながら、藍住町役場からもほどちかい住宅街にある店舗には、近所の常連客だけでなく遠方からわざわざ買いに来るお客さんもいる人気店です。時には閉店時間を待たずして完売してしまうことも。

オーナーの新居大輔さんは、前職はコンビニエンスストアのオーナーをしていました。
盛況で忙しい毎日だったけれども、「自分で納得するものをつくってお客さんに届けたい」という気持ちが募り、かねてより興味のあったパン作りの道を志すように。
自分の理想とするパンをつくる師匠に出会い、仕事の合間に時間をつくって修行に通っていたそうです。
「仕事をしながらの修行は大変だったけれども、いい原材料を使って、自分のつくりたいものづくりができる喜びで充実していました」と話す新居さん。

約5年の修行を経てパン作りの技術を身につけ、いよいよ開店準備に取りかかりました。
前職でも事業を営んでいたので、経営に関する基礎的な知識は一通り身についていたけれども、おさらいや新しい知識の習得のため「創業塾」に通いました。
全8回の講座では事業コンセプトの考え方やマーケティングについて、そしてwebやSNSを使った情報発信の方法についてなど学びました。
また創業塾の全ての講座出席したことで、20万円の藍住町創業補助金を受けることもできました。

そして、創業に要する経費の一部を補助してくれる「創業・第二創業促進補助金」にも申請しました。
「このような補助金があることも知らなかったし、申請に必要な書類をつくるための煩雑な手続きもいろいろと手伝っていただきました。何かとお金のかかる創業時にこういった資金的な支援をいただけてとてもありがたかったです」と、新居さん。

現在は朝早くからパン作りに励み、奥様と２人でお店を切り盛りする日々。
大きな木の扉を開けると、明るい店内いっぱいに焼きたてのパンのいい香りが漂います。
「素材を大切にしている」という新居さん。作るパンによって小麦粉のブレンドを変え、何種類もの生地をていねいにじっくり発酵させて仕上げていきます。
そして、棚に並べられたパンのプライスカードには、原材料がひとつひとつすべて記載されています。
これは、お客様が口にするものはきちんと情報を提供して安心してお買い上げいただきたいという思いから。
「藍住の土地に根ざして、子どもさんからご年配の方までに愛されるパンを作り続けていきたいです」と、これからの夢をはにかみながら話してくださいました。

（2015.8取材）