Kanon Light essence 山下由紀さん |藍住で創業した先輩たち

Kanon Light essence 山下由紀さん

山下由紀さんは、2018年にリフレクソロジーサロンを開設しました。
場所は自宅の一室。
この自宅を建てた10年前からサロンを開く夢をあたためていたそうです。

山下さんの創業話は独身時代にさかのぼります。
大学で食物栄養学を専攻し栄養士の資格を取った山下さんは、愛媛県松山市の食品会社に就職しました。
「人々の健康をサポートしたい」と思い、品質管理室で実務経験を積んで管理栄養士の国家資格を取得しました。
そして、ほどなくして営業企画室から「自社製品を使ったレシピを考えて欲しい」と声がかかりました。

新しい部署での仕事はレシピ開発だけにとどまらず、店舗でもPOP作りやテレビやラジオでのPRといった広報の仕事まで多岐にわたり、上司や先輩男性社員と肩を並べて毎日遅くまで働いていたそう。
「あの経験があったから、起業できたよう思います」と、山下さんは当時を振り返ります。

数年後、東京と松山で遠距離恋愛をしていたご主人と結婚。
転勤族のご主人について東京や四国各地を転々としながらも、各地でパートタイマーとしてさまざまな仕事を経験をしました。
転機となったのは、高松で管理栄養士の資格を活かして調乳指導の仕事をしていた時。
その仕事を通して、子育てをするお母さんたちの育児相談にも乗るようになりました。
お母さんたちの話を伺っていると、多くのお母さんが育児以外にもさまざまな悩みを抱えていることを知り、「健康でいるためには、心と身体の両方が健康でいることが大切」と思うようになりました。
そして、東京や大阪にも通って心理学を学びました。
またその頃、産婦人科でベビーマッサージの先生に出会い、その方を通して「リフレクソロジー」に出会いました。
新婚の時にバリ島で受けたフットマッサージがとても気持ち良かったことを思い出し、「この技術を学びたい」と、神戸の学校に通い技術を習得しました。

10年前に徳島出身のご主人の実家の土地にマイホームを新築。
その際に「いつか自分のサロンに」と、玄関横に一部屋設けました。
ご主人や今は高校生となった娘さんも、その頃から応援してくれていたと言います。
子育てをしながらリフレクソロジーの技術を磨き続け、時々友人や知人に頼まれると施術を行っていたそうです。

コツコツとブログやSNSで発信を続け、口コミと相まってさまざまな人が施術を受けに来るようになりました。
そして2018年、「「リフレクソロジーとヒーリング癒しサロン花音kanon」として正式に開業をしました。

山下さんのもう一つの顔が「ハンドメイド作家」としての活動です。
きっかけは、長女と12歳違いで生まれた息子さんのリュックサックを作ったこと。
折しもCreemaやminneといったハンドメイド作品を売るwebサービスの人気が出てきた頃。 自分の作った作品をそうしたサイトに掲載すると、次々と売れていったそうです。

「どんな写真を撮ってどんな文章を書いたら売れるのかを考えるのも楽しかったんです」と、山下さん。
松山での会社員時代、営業企画の仕事で培った経験がとても生きていると言います。
そのうち地元のマルシェなどへの出店も声がかかるようになり、積極的に参加するようになります。
あるイベントでは3日間で会社員時代の初任給並みの売り上げとなり、ハンドメイド作家としての自信となったそう。

財布やバッグなどさまざまな作品を手がける山下さんは、「作品の企画を考えている時が一番楽しい」と言います。
ファンや固定客も順調に増えてきたので、今後は裁断や縫製などを子育て中のお母さんや高齢の方々に外注することも検討しているそう。
転勤族の妻として同じ会社でずっと働き続けることが難しかった経験から、「働きたいと思う人々の雇用の場を生み出すことに関心があるんです」と、山下さんは言います。

開業をして1年ほど経ったある日、ご主人が「藍住町創業塾」のチラシを偶然見つけ、山下さんに通うことを薦めました。 すでに開業をしていたものの「ビジネスの基本が学べるかも」と、申し込み参加。
創業塾では同じ藍住町内で起業を志す仲間との良い出会いもたくさんあり、今でも良いご縁がつながっているそう。

また創業塾の講師から徳島県の「あったかビジネス事業計画」に挑戦することをすすめられました。
事業計画書をつくって面接などの審査に挑むと採択され、県からも事業運営のための補助金を得ることができ、備品などの購入に当てることができたと言います。

リフレクソロジーサロンの運営も、ハンドメイド作家としての活動も、それまで山下さんが経験してきたことが「すべてつながっているように感じる」と言います。
どちらも「年を重ねていくとともに、自分の技術や力量を深めていけるもの」だと、山下さんは言います。
「これからやりたいことがまだまだたくさんあるんです」と、目を輝かせます。

(2020.10取材)

店舗名 Kanon Light essence(カノン ライト エッセンス)
住所 徳島県板野郡藍住町勝瑞字東勝地348-6
Facebook https://www.facebook.com/yuki.yamashita.96930
アメブロ https://profile.ameba.jp/ameba/kanon-lightessence/
ハンドメイド https://www.kanon-handmade.com/

 

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